畑地かんがい事業

更新日:2022年02月28日

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西諸地区国営畑地かんがい排水事業の概要

西諸地区畑地かんがい事業は、農林水産省がダムからファームポンドまでの水路等を整備し、宮崎県がファームポンドから畑地等までの水路や散水施設、農地の区画整理等を整備しています。国営事業で整備している水路には、幹線水路(太く幹にあたる水路)5路線と幹線水路から各地区のファームポンドへ送水するための支線水路(幹から延びる枝状の水路)があります。

西諸地区畑地かんがい事業イメージ図

関係市町は、2市1町(えびの市・小林市・高原町)です。受益面積(畑地・水田)は、4,150ヘクタール、6,650戸数の農家が対象となっています。
平成8年度から着工した大淀川水系岩瀬川に浜ノ瀬ダム(小林市須木)を建設する主要工事(西諸(一期)地区)は、平成29年度に完了しました。また、平成12年度に着工した幹線・支線水路(114キロメートル)を建設する主要工事(西諸(二期)地区)も令和元年度に完了しました。国営事業の総事業費は、695億円ですが、この国営事業での農家負担はありません。

受益面積および受益者数 (単位:ヘクタール)
受益面積\関係市町 小林市 えびの市 高原町
普通畑 1,950 550 890 3,390
水田 490 40 0 530
樹園地 150 40 40 230
2,590 630 930 4,150
受益者数 4,018戸 1,416戸 1,216戸 6,650戸
国営事業の進ちょく状況
  国営事業の内容 計画 平成29年度まで
施行済み
平成29年度まで
進ちょく率
西諸
(一期)
浜ノ瀬ダム
重力式コンクリートダム
  • 堤高 62.5メートル
  • 堤長 183メートル
  • 堤体積 20万8千立方メートル
  • 有効貯水量 750万立方メートル
平成29年度完成 100%
西諸
(二期)
水路
  • 幹線水路
  • 支線水路
総延長 114キロメートル 令和元年度完成 100%
西諸
(二期)
ファームポンド 25ヶ所 令和元年度完成 100%
西諸
(二期)
揚水機場 9ヶ所 令和元年度完成 100%

国営かんがい排水事業の目的

わが国は、先進国の中で最も低い食料自給率となっています。食糧の安定供給が期待されている中、西諸県地域の畑地かんがい整備率は、当時3パーセントとほとんど整備されておらず、畑作経営が不安定で、近代化が遅れていました。
このため、本事業では、新規水源として浜ノ瀬ダムで水を確保し、天候に左右されない水の利用による生産量性の向上と畑作経営の安定を図ることとしてます。

西諸土地改良区について

国営西諸土地改良事業と国営関連の県営事業によって造成された施設の維持管理を行うため、広域的な組織が必要となります。そこで、平成20年7月29日、2市2町(えびの市、小林市、高原町、旧野尻町)の関連地区・団体から選任された26人の委員で構成される『西諸土地改良区設立準備委員会』が設置されました。この準備委員会の中で、西諸土地改良区の組織や定款に関することや、将来の維持管理費等に関することなどを審議し、平成22年2月9日、西諸農業水利総合開発事業促進協議会長に西諸土地改良区設立について答申されました。

西諸2市1町(えびの市、小林市、高原町)は、西諸土地改良区の平成25年度設立を目指し、西諸畑かん受益者の皆さんからの設立同意取得を平成24年度に行いました。その後、宮崎県知事の認可を経て、平成25年10月に、西諸土地改良区は設立されました。

現在、浜ノ瀬ダム、幹線水路、ファームポンドなどの管理を行っています。

区画整理(ほ場整備)の必要性

区画整理により農地の土地形状の改善、大区画化、農道や排水路などの整備も同時に行えます。さらに、換地により分散した農地をまとめたり、担い手へ農地を集積できたりと、効率的な土地利用による生産性の向上やコスト縮減を図ることができます。

尾八重野地区

区画整理(ほ場整備)前のイラスト
右矢印のイラスト
区画整理(ほ場整備)後のイラスト
区画整理(ほ場整備)前の尾八重野地区を上空から写した写真
右矢印のイラスト
区画整理(ほ場整備)後の尾八重野地区を上空から写した写真

農家負担額について

1.工事費

ファームポンド、パイプラインなどの国営事業については、農家負担はありませんが、区画整理、散水器具、給水栓などの県営事業については、農家負担が発生します。

(農家負担割合:工事費の8.3パーセント以内)

2.賦課金

  • 浜ノ瀬ダムからの農業用水を使用した場合、賦課金が発生します。
  • 賦課金は、農地の地積割により算定され、維持管理費と水利費に区分されます。
  • 維持管理費は、使用のあった年から発生し、水利費は、水の使用があった年度についてのみ発生します。
  • 平成30年3月1日に開催された「西諸土地改良区通常総会」で、維持管理費500円は、当面の間、賦課しないことが決定されました。さらに、浜ノ瀬ダムの水が利用可能になった年の4月からの3年間の賦課金については、「露地畑・資料畑」は、無料。「ハウス・樹園地・茶園」は、半額とすることが決定されました。これは、受益者の皆さんに少しでも西諸畑かん(ダム)の水利用の効果を知ってもらい、利用普及率を上げるための特例措置です。

平成30年度~

畑地の適用と賦課金の詳細
耕作種別\費目 適用 賦課金
(1)維持管理費
賦課金
(2)水利費
賦課金
合計
露地畑 移動式又は半固定式散水器具による通常かん水に利用 0円 4,000円 4,000円
ハウス施設 ハウス施設への利用 0円 8,000円 8,000円
樹園地(果樹) 固定式散水施設による通常かん水に利用 0円 8,000円 8,000円
樹園地(茶) 固定式散水施設による通常かん水及び防霜対策利用
(注意)防霜に利用しない場合通常かん水
(維持管理費0円、水利費4,000円)を適用
0円 9,000円 9,000円
飼料畑 移動式散水器具による畜産飼料作物に利用 0円 2,500円 2,500円

えびの市の取り組み

えびの市では、受益面積630ヘクタール、関係農家1,416戸数が国営かんがい排水事業の対象となっています。浜ノ瀬ダムの水を使うためには、国営事業とは別に、関連県営事業を導入し、区画整理工事やかんがい排水工事を実施する必要があります。この関連事業の導入は、生産性の向上と畑作経営の安定を図ることとしています。
平成18年度から県営畑地帯総合整備事業(担い手支援型)尾八重野地区(78ヘクタール)の事業を開始し、平成26年度に完了しました。

また、平成23年度から県営経営体育成基盤整備事業(畑地帯担い手育成型)畝倉地区(20ヘクタール)の事業を開始。平成25年度から県営戸別所得補償実施円滑化基盤整備事業・農地整備事業(畑地帯担い手支援型)白鳥1期地区、平成27年度から白鳥2期地区、平成29年度からは、大河平1期地区の事業が開始されました。また、平成30年度に苧畑地区、令和元年度に大河平3期地区と苧畑2期地区、令和2年度に大河平4期地区と苧畑3期地区と田代・出水1期地区が事業採択となりました。

現在では、令和5年度の事業採択を目指し、長江浦地区の推進を行っています。

この記事に関するお問い合わせ先

えびの市 農林整備課 畑かん推進室

郵便番号:889-4292 宮崎県えびの市大字栗下1292番地

電話番号:0984-35-3725
ファクス:0984-35-0401

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